このレポートは、今年2001年の1月から3月まで「スポーツニッポン」の温泉コラム「後志(ニセコ周辺)温泉図鑑」の中で紹介した温泉記事の原稿です。直接私(サイト管理者)が、温泉経営者の方にお話を伺ってまとめたものです。ニセコ周辺の温泉場10ケ所を、ツウの温泉を味わいたい方のために、厳選して取材しました。ニセコ周辺の温泉めぐりに、予備知識として役立てば思います。
『ニセコアンヌプリ温泉』
惜しげもない湯量と熱さが心地よい、大きな露天岩風呂の温泉。
温泉は露天風呂に限る、しかも少々吹雪いていても充分暖まるところがいいという向きにぴったりの温泉が、ここ『アンヌプリ温泉』である。この温泉の存在を知ったのは、ニセコに住むにあたって井戸を掘ることになり、その井戸工事の業者から「今、アンヌプリスキー場の麓に温泉を掘っているんだが、数日前にいい温泉が出た。」という話しを聞いたのが最初だった。しばらくして、その頃では珍しい大きな露天岩風呂が出来たといううわさを聞きつけて、さっそく入りに駆けつけたものである。脱サラしてニセコ移住最初の年、もう12〜3年前のことだ。
泉質はナトリウム泉、薄緑のとろりとした肌ざわりで、私の好きな泉質の一つ。内風呂はあまり大きくないが、その分露天が補って余りある。ここは都会の喧騒から遠く離れたニセコの温泉、銭湯感覚の身づくろいは後回しにして、自然の恵みをたっぷり享受しょうではないか。
温泉と言えばここ最近物議をかもしているのは、温泉の純度。循環や水割りではない100%の温泉かどうかである。道内の温泉施設のそれを調べたら、100%は2割にも満たなかったという調査結果があるくらいだ。循環式は衛生面で問題だし、水割りとなるともはや温泉と言えるのかどうか。原因は分らないが私も一度ある温泉に入った後、たまたまあった腕の傷が化膿したことがある。そこもあとで循環式だと知った。でも、ご安心あれ。ここは純度100%、56.7℃の湯がガンガン流れている。大小の岩で造られた大きな露天風呂は、所々にうまく腰掛けられる石があり、私のように熱いのが好きなら源泉の放出口に近い方にと、思い思いの場所でくつろぐことができる。まわりの雪の壁に灯されたアイスキャンドルを眺めていると、都会のストレスもボッ−と薄らいでいく温泉だ。
<お問い合わせ>ニセコアンヌプリ温泉=虻田郡ニセコ町字ニセコ438番地(TEL0136-58-2500)☆通年営業、9時〜21時☆効用 神経痛、筋肉痛、関節炎、切り傷、慢性婦人病など☆入浴料 大人700円、子ども500円