このレポートは、今年2001年の1月から3月までスポーツニッポン」の温泉コラム「後志(ニセコ周辺)温泉図鑑」の中で紹介した温泉記事の原稿です。直接私(サイト管理者)が、温泉経営者の方にお話を伺ってまとめたものです。ニセコ周辺の温泉場10ケ所を、ツウの温泉を味わいたい方のために、厳選して取材しました。ニセコ周辺の温泉めぐりに、予備知識として役立てば思います。

 『鯉川温泉』(’18ー6月現在 休館)

風情、泉質とも、癒しを求める方に一押しの温泉。 


 第一回目は、数あるニセコの温泉場の中でも歴史が古く、昔は湯治場、今も日帰り入浴など老若男女に親しまれている昆布温泉。中でも、その頃の風情を今に残している『鯉川温泉』をご紹介しよう。
私が最初にこの温泉に入ったのは、もう20年くらいも前になる。忙しい会社勤めの合間を見つけて、手当りしだい道内の温泉場を回っていた頃だ。その頃でも数少ないの湯治場の風情がそこかしこに残っていて、なんだか妙に落ち着けるところだと思った。晴れた日など、窓から差し込む日ざしに光る湯面を見ながら入るお湯は、仕事の疲れを癒してくれたものだ。
天井が高く、タイル張りの浴槽はほんわかと心地よい熱を放ち、冷えた体を包み込む。浴槽は深く、身長170cmの私の腹くらいまである。温泉宿のご主人に聞くと、足や関節を傷めている人が、しゃがまなくてもリハビリ出来るように造られているそうだ。薄茶色の泉質は含土類食塩泉とかいうものらしく、土のにおいなのかなんとも温泉場らしいいい香りがする。来た時には曲がらなかった足が一週間、2週間と経つうちにだんだん動きだし、喜んで帰られるお客さんの話しなどを伺い、風情だけではなく、ここの温泉の泉質の良さも感じざるを得ない。実は私も除雪で腰を傷めた時、何日間か通っているうちにだんだん良くなってきた経験がある。やっぱり、効くのかも知れない。
何年か前にはなかったお湯・水の蛇口も2ケ所出来(男湯)、銭湯変わりに使う人にも配慮された。個人的には湯舟のお湯だけで充分だったが・・。それと、今人気の露天風呂も最近出来た。それも、小さいながらとうとうと流れる滝を見ながらである。日本人の、温泉に求める感性を満足させてくれるところである。

   お問い合わせ:鯉川温泉旅館 エ0136-58-2111
          ●通年営業●営業時間/9時〜21時
          ●入浴料/大人500円 子供300円