このレポートは、今年2001年の1月から3月まで「スポーツニッポン」の温泉コラム「後志（ニセコ周辺）温泉図鑑」の中で紹介した温泉記事の原稿です。直接私（サイト管理者）が、温泉経営者の方にお話を伺ってまとめたものです。ニセコ周辺の温泉場１０ケ所を、ツウの温泉を味わいたい方のために、厳選して取材しました。ニセコ周辺の温泉めぐりに、予備知識として役立てば思います。

『温泉ゆころ』

そのラッキーさにあやかりたい、泉質よし、ひらふスキー場間近の新温泉。

　ニセコ最大の滑走エリアを有するひらふスキー場のふもと、たくさんのペンション、コテージが立ち並ぶ一画に温泉が沸き出したのは一年余り前のことである。
ここひらふスキー場周辺の温泉施設は、一つは地元の人たちに古くから親しまれている山田温泉、数年前にできたホテルの温泉施設、そして出来たてほやほや、まさに湯気がたっているここ『温泉ゆころ』の3軒である。温泉が山田温泉一軒しかなかった頃、ひらふスキー場に来たお客は、温泉を求めてずっと離れた昆布温泉あたりまで入りに行っていた。それを思うと徒歩圏内に3つの温泉施設ができ、雪質、コース、エリア、距離、どれをとってもニセコナンバーワンのひらふスキー場に新たな魅力が加わったと言える。
さてこの『温泉ゆころ』、今日温泉採掘といえば公共のそれ用であるが、個人で掘り当てた。温泉好きなら誰しも一度は、自分の温泉を掘り当てたいと思ったりしたことがあると思うが、実際人づてに聞く掘削にかかる経費や泉源に行き当たらないかも知れないリスクを考えると、それはまず刹那的な妄想に終わってしまう。だが、やる人はやる。それも出るか出ないか予備調査しないで掘削を始めたのである。正に、気合いと幸運の温泉発掘成功例である。その潔さに敬服しながら、800mから汲み上げられる66℃のナトリウム泉をいただこう。
風呂は内風呂と露天があり、どちらも入りやすい。特に露天は大小の岩を組み合わせて雰囲気作りがなされていて、温度も、熱めの好きな私にはちょうどいい。泉質も、ニセコにある他のナトリウム泉とちょっと違う感じの、肌にしっとりなじむなめらかな温泉だ。
この冬ニセコひらふスキー場近くに行かれた時には、幸運なこの温泉にあやかり、明日の仕事がラッキーに進むように願いながら、ゆっくり入ってもらいたい。

＜お問い合わせ＞温泉ゆころ＝倶知安町山田163-53＝ＴＥＬ（0136・23・3434）●通年営業（夏は火曜定休）14時〜21時（冬は〜22時）●効用　神経痛、筋肉痛、関節痛など。飲用すると慢性消化器病、糖尿病など　●入浴料　大人600円